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ゴジラよりも会議室ドラマよりも-「シン・ゴジラ」(MAX4D)

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東京湾(映画に出てくるスポットではありません)


公開直後からあまりにも評判がよいのと、このままではTwitterなどでネタバレを意図せずして読んでしまいそうなので、8月1日映画の日にMAX4Dの映画館で観てきました。

(以下、ストーリーのネタバレはありませんが、どんな組織やモノが出てくるかは少し書いています。)

何が一番だったか

たしかにこれは凄い作品です。スクリーンにずっと引き込まれていたしもう一度観たいと思う。

ゴジラもとんでもない迫力だし、会議室(政治)ドラマとしてもリアルだし見応えがある。日本もやるときはやるんだと胸も熱くなる。俳優も実力派をけっこう贅沢に起用してるし音楽も素晴らしい(前知識なしで観たのであの音楽を耳にしたときには驚きました。)。明朝体で矢継ぎ早に入るテロップと早口でたたみかけるように話すシーンの連続から生み出されるテンポ(というかグルーヴと言ったほうがいいような)が生み出す緊迫感も見事でした。

でも私が一番心惹かれ制作陣の熱い思いを感じたのは、あらゆる「モノ」が生き生きとしていたことです。戦闘機やヘリ、戦車その他の車両はもちろんのこと、防護服やホースなどに至るまでが生命をもっているかのようだったこと。

自衛隊の活躍が大きくフィーチャーされている作品なのですが、庵野監督はいろんな「モノ」を東京で縦横無尽に駆け回る姿を撮りたいがために「自衛隊が撮影協力を喜んでするような脚本」を書いたのではないかと思ったくらい。ちょっとうがち過ぎかもしれないけど。

あと、もし私が関東在住だったら・・・とは思いました。東京の街が相当リアルに描かれていたようなので。スクリーンに登場する風景がおなじみの場所だったら、この映画から得られる興奮はさらに増したに違いないと思います。まあなじみがなくてもその緻密さからリアリティはこれでもかと感じさせられる描写だったのですが。


村上龍作品との関連

もうひとつ強く感じたこととしては、村上龍作品との関連です。冒頭の、ゴジラ出現に対して内閣がなかなか決定を下せない(個々人の能力の問題というより法律と組織の問題で)会議室のシーンは、村上龍「半島を出よ」を強く連想しました。

「半島を出よ」は北朝鮮反乱軍が福岡に上陸し福岡ドームの観客を人質にとり・・・という物語なのですが、この事態について内閣が会議をするシーンを彷彿とさせるのですよね。

庵野監督は、実写映画の初監督作品が村上龍原作の「ラブ&ポップ」ですし、「新世紀エヴァンゲリオン」の登場人物のうち何人かが村上龍「愛と幻想のファシズム」からとられているようですから、「半島を出よ」も意識してたんじゃないかなと推測しています。

(というようなことをTwitterに書いた数日後に、こんな記事が出ていました。)
村上龍最良の後継者であり震災後文学の最高傑作としての『シン・ゴジラ』(飯田一史) - 個人 - Yahoo!ニュース

MAX4D初体験

ところで、映画本編とは関係ないのですが、今回MAX4Dを初めて経験しました。迫力あるかなと思って。
MX4D™ || TOHOシネマズ

個人的には、少なくとも「シン・ゴジラ」には合ってないように感じました。たしかに画面に合わせて椅子が動き、背もたれの感触が変わり足下からも風が吹きしょっちゅう顔にミストが吹きかけられるのはテーマパークのアトラクションみたいでなかなか楽しいのですが、映像にぴったり合っているかというとそうではないし(一生懸命合わせている、という感じ)、エアやミストが吹きかけられるのは不快の一歩手前だったし、吹きつけ音が「シューッ」とうるさいのも興ざめでした。あと、足下に荷物が置けない(だからコインロッカーに荷物を置くか、荷物を膝の上に置いておくかする必要あり)のは意外と不便でした。

アクション一辺倒の作品で画面とぴったりシンクロするならいいのかもしれません。追加料金は1,200円でした(劇場により異なります)。

ちなみにIMAXと異なり、スクリーンは通常のものと同じです。「シン・ゴジラ」はIMAXがいいと評判ですね。次はそっちかなあ。


関連メモ


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