庭を歩いてメモをとる

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After the Ball - Paul McCartney OUT THERE JAPAN TOUR 2013を振り返って


怒濤のポールウィークが過ぎ去りました。以下、個人的な備忘録です。この大切な経験と思い出を保存しておくつもりでつらつらと書いてみました。
※発売されたムックの感想などはこちらにカキマシタ!カキマシタ!


全公演を通じて

  • ポール元気で若い。いい仕事をするのに健康って大事だなと改めて思った。
  • 一方で、そういう「年齢の割に」という要素を取り除いても、一級のコンサートだったとも思う。曲と演奏が第一級だから。
  • 声と演奏、どの日も大きな差がないところもプロ中のプロ。友人達と「どの日が一番だった?」という意見がなかなか一致しないほど。ちなみにその「論争」の結果は「その日に自分がいた席によるのでは?」
  • いろいろシンプル。あんなにあっさり登場するとは思わなかったし、BlackbirdやHere Todayの演出も。思えば新譜もシンプルな楽曲群だった。音楽に集中してくれということか。それが大成功していたのでは。
  • 開演前に流れてた音楽は売って欲しい(12月4日追記:無料配信されました。)。特にWingsの曲のミックス。Temporary Secretaryがドーム中に響きわたりポール登場の序曲となる流れはこの曲の大ファンとしてはしびれまくり。
  • Another Day.93年のメルボルンで聴いたときはただ驚いただけだったが、今回は6回落ち着いて堪能できた。自分が生まれたころの録音ということで個人的思い入れもある。演奏もよかった。しかし最後の"raincoat..."の後の"ah-a-a"がなかったのは残念。
  • もっとも体を動かされたのはHi Hi Hi。周囲ではテンポがOver Americaと異なるのがいかがなものか、という感想が多くその気持ちもわかるが、個人的にはラストのテンポアップの時のリズム隊があいまいに聞こえた(もっとソリッドに刻んでほしかった)ほうが気になった。とはいえこの曲がカットされなくて本当によかった。
  • 新譜からの4曲の再現性と盛り上がりは今回のハイライトの一つ。特にQueenie EyeとEverybody Out Thereの掛け合いはポールも喜んでくれたのでは。この新曲盛り上がりは2002年よりも格段に上だったと思う。
  • ラスティのギター、かっこよかった。1985のが白眉かな。Maybe I'm Amazedのギターソロなんかも、オリジナルに忠実なんだけど、彼特有のエッジの効いた持ち味が出ていてよかった。他の3人にも言えるけど、こういう「オリジナルを最大限尊重しつつほんのわずかな自分の持ち味発揮で仕上げる」テクニックとバランス感はまさに職人芸かと。
  • ブライアンのギターもいいけど、ベースもさらに。Paperback Writerもラスティと同じく「オリジナル尊重+ブライアンのグルーヴ」だった。
  • エイブ、2002年よりコーラス(の時の動き)が控えめに。もっと顔ふりふりしてくれてもよかったのに。
  • ウィックス、20年以上の「音楽監督」の安定感。しかし仲間うちでも話題になったのがLovely Ritaのピアノで音が下降するところ、なぜグリッサンドに?ちゃんと弾けるはずなのに。しかも友人によるとちゃんと弾いていた日もあるらしく(私は見逃した)より謎に。
  • Team McCartney(↓写真上)と大阪で開かれた事前の飲み会(↓写真下)に参加させていただいたことで、ポールウィークが何倍も思い出深いものになった。いつもおつきあいいただいている方々、久しぶりの方々(11年ぶりの方も何人も!)そして新たに多くの方々とお会いできたこと。本当に大切な思い出になった。主催者の方々とご一緒させていただいたすべての方々に感謝。
  • 音楽に加えて、こういうかたちでも人生を豊かにしてくれるポール・マッカートニー。ほんとすごい。

11月11日(月)大阪・京セラドーム

  • 梅田の職場を定時退社して18時過ぎに会場到着
  • 友人が作ってくれたJETバッジを装着。
  • グッズの列を見て並ぶのをあきらめTeam McCartneyの赤シャツ記念写真。
  • 席はスタンド3塁側。ステージ背後の映像はまったく見えない。
  • 追加公演で席が余っているという話だったが見た目満席。スタンドの上の方だけ使ってない席があったか。
  • ポール登場時、スタンドからだと誰がポールか分からず「ざわざわ」。でもスクリーンにポールが映し出されると「おおーっ!!」。これは全日程共通だが、個人的にはこの日のみスタンドだったためその時間差レスポンスをよりはっきり実感できた。
  • 登場時のフロックコートっぽい上着は赤色。
  • この時点で歓声は2002年より上だったと感じた。
  • お客は立ち上がらなかったがけっこう盛り上がっていた。
  • 周りのお客の反応が「熱狂的ではないが敬意にあふれる」感じ。ポール登場時「神様やで〜」「生きてるうちに見れたわ〜」ライブが進むと「若いな〜天才やな〜」
  • この日だけ2002年と同じく翻訳のテスト(シュールな文章を言って翻訳させる)をやっていた。あんまり意味ないのにと思ってたが翌日からやらなくなった。
  • 最初から「マイドーオオサカ!」大阪弁そのものもキュートだが何より気遣いがうれしい。
  • 「デモ エイゴノホウガ トクイデス」の後の「どう、おもしろい?」的表情もなんとも言えない魅力(私は男性にそういう魅力は通常感じないがポールだけは別)
  • スタンドはスタンドで、座ってじっくり音楽が聴けたこととスクリーンをじっくり見られたのはよかった。
  • キラキラ大作戦、思ったより浸透、または同じことをお考えの方が多いようでうれしくなった。
  • スタンドのお客も、私の周囲の方々はアンコール後立ち上がりいい感じのノリに。Hi Hi Hiで踊り狂う10歳くらいの男の子もいて微笑ましい。
  • 終演後は東京から夜行バス弾丸ツアーで来ていた友人&お連れさんを迎撃するため梅田で飲む。ポールの元気さに驚き、Junior's Farmが消えたことのショックから始まった。
  • 終電で帰宅。

11月12日(火)大阪・京セラドーム

  • 昨日より早めに職場を出て18時ごろグッズの列にならんだが18時半までにぎりぎり買えず。それでも今思えばまだ「まし」な混雑だったんだなあ(当日の販売状況はこちら)。
  • その後Team McCartneyで記念撮影。
  • 6歳長男と参戦。配慮した事項はこちら
  • 席はAブロック左よりの前から11列目。
  • 11日より声が出ていた気がする。えっ2日連続なのに、と感じた。でもこれも席のおかげなのかな。
  • 大阪弁がよりスムーズに。発音や抑揚も下手な非ネイティブ日本人役者の関西弁より立派。この日だけ言ってくれた「オオサカメッチャスキヤネン!」は特に。
  • この人は言語の才能もある気がする。ハンブルクでドイツ語覚えるの早かったらしいし、ゲットバックセッションでもGet Backのドイツ語の替え歌をふざけて歌ってる音源あるし、今も世界各国語で挨拶するし(そのためのレッスン風景がSpace Within USか何かに収録されていた)。
  • 閑話休題。この日は黒のコートで登場、と思ったらネイビーだったみたい。
  • 肉眼でポールの表情がわかるのはやはり心の底からうれしい。
  • この日初めて、Let It Beの前に「被災者に捧げる」とのMC。「政治家に聞いてほしい」は昨日と今日、大阪だけだった。
  • 子どもが喜んでくれて、結局途中「帰りたい」と言わなかったこと(翌日学校があるためHey Judeで途中退場したが)、帰り(妻が引き取ってくれた)「すっごく楽しかった。ポール大好き」と何度も言っていたらしいこと、親として感無量。
  • 人生初のライブ途中退場(子どもを妻に引き渡すため)。ドームの外でじっと聞いている人が何人もいらして(50歳くらいの男性が多かった)なんとも言えない気持ちに。
  • がら空きのグッズ売り場でいくつかのグッズを購入。しかし売り切れ多数。
  • 心斎橋でTeam McCartney他の友人達、友人のお連れさん方と飲み。規制退場のために本格的な開始が23時ごろになったため、終電で宴を切り上げることなど到底できず1時半くらいまで飲む。
  • Another Dayと「おせっかい」がよかったねえ、「マッカートニー・ミュージック」レコスケくんの80年代ポールの話が素晴らしい、ライブ会場にエスカレーターが設置されていてそこにポールが登場、そしてPressで幕を開けるライブの妄想、今回のポールってあまりセンターから動かないよね(後にそうでもなくなるが)、And I Love Herはアンプラグドより全然いいよね・・・と話は尽きない。
  • 同じ方向の方お二人と一緒にタクシー帰宅。いつもながら、この方とこの方がお知り合い同士なんだとかそういうポールファン界の人のつながりを実感。

11月15日(金)福岡・ヤフオク!ドーム

  • 仕事は午後休みいただき新幹線に飛び乗る。しかしドーム着は17時過ぎになるため、行列からしてグッズは買えないと判断、先にドームに着いた友人に買ってもらった。本当に助かりました。
  • ポールトラック、この会場が一番目につきやすくかつ行きやすい場所に止まってた。
  • 「ポールの手」とも握手。
  • 友人達と「PAUL」の顔ペイントで参加。お祭りだものね。
  • 席はBブロックだけど今までよりもセンターより。席が前方なのも大事だけど、センターよりなのはもっと大事かもしれない。
  • この日は濃緑のコートで登場。どれもクラシカルでポールによく似合ってるなあ。
  • ポールの博多弁が実に楽しい。「バッテン、エイゴノホウガ、ウマカヨ。」
  • 後に東京公演のすごさをメモするが、この方言MCは大阪・福岡の大いなる特権と言えよう。
  • ポール「サイコー」を連発。全公演中この日が間違いなく最多。
  • 大阪ではセンターにとどまっていたポールだがこの日から左右にも動いてくれるようになった。
  • 天神で福岡在住の年長の友人とそのお連れさんと打ち上げ。
  • さらに博多で別の友人と打ち上げ。移動中にタクシーが道に迷い貴重な飲みの時間が減ってしまった。
  • どちらもとても楽しく、今日が金曜でよかったと痛感。
  • セットリスト変わったねえ、ペイパーバックのエピフォンとかもう楽器もすごいライブだ、The Endのラスティとポールでのワンマイクがかっこいい、ナンシーはいい嫁だ、ポールはもう、とんでもない親父だよ。そんな話が次から次へと。
  • しかし翌朝は子どもの小学校での音楽発表会のため始発の新幹線でとんぼ返り。

11月18日(月)東京ドーム

  • 偶然にも川崎に出張、なんとか17時半に仕事を完了させ一路東京ドームへ。
  • でも赤シャツ記念撮影には間に合わず。
  • Aブロックの左側。前方に松村雄策さんがいらっしゃった。
  • この日はネイビーで登場のポール。
  • 歓声が大阪・福岡に比べひときわ大きい。盛り上がっているというのもあるし、キャパの違いもあるだろう(今回のライブ、東京ドームは5万人以上、大阪・福岡は4万人未満の動員)
  • あとは音響の違いもあるかもしれない。響きすぎる東京ドーム。後の飲み会で、福岡や大阪は東京ドームで学んだことを活かしている、と。
  • それはドームから出るときの「風圧」もそうかも。ドームから外界に向かっての強風。あれは福岡や大阪にはない。
  • サイドスクリーンが計4つになった(スタンド1塁・3塁の端の席用のもの)は東京から。
  • Live and Let Die、終わり際にセット上方で花火が炸裂。これは東京だけ。
  • Yesterdayの前に、福島に捧げるとの言葉。被災者の友人はやはりうれしかったとのこと。
  • 友人達がセッティングしてくれた、水道橋の中華料理屋さんの空きフロアを活用したセルフ立食打ち上げに参加。
  • ドームの近くでこの形式は非常にありがたい。早く飲み始められるしドタ参もある程度可能だし。
  • 話は終わらず2次会にも。2時ごろ終了。

11月19日(火)東京ドーム

  • この日は1日休みをいただいた。
  • しかし昨晩飲んだ栄養ドリンク(キューピーコーワゴールドα)が効き過ぎて午前中眠れない。
  • 13時前からサウンドチェックの列へ。既に50人くらいが並んでいる。友人3人と合流。
  • サウンドチェックの所感
    • 一緒に参加した仲間がいてよかった。事前の情報があってよかった。
    • なぜなら約3時間、サウンドチェックの開始までひたすら立って待つイベントだから。
    • なので仲間うちでは、参加者はお互いを自虐的に「修行僧」「奴隷」と呼んでいた。
    • 今日一緒だった4人は自らを「サウンドチェック・スレイヴス」と命名、記念写真を撮った。馬鹿馬鹿しいけどそんなマインドでないとやってられない感がある。
    • 事前情報があったので折りたたみ椅子を持参できたのはよかったが、アリーナに入ってからもさらに1時間ほど待たされた。ここでは立ったまま。
    • 待っている間ずっと仲間内で話ができて本当にありがたかった。
    • ポールは予定時間より大幅に遅れて登場。自ら「ケネディ大使がらみの交通渋滞で遅れた。ごめん」と説明。
    • お詫びに、と全員にギターピック進呈。
    • ラウンドカラーのシャツにネクタイ。これがこんなに似合う71歳もなかなかいないだろう。
    • この日はオールディーズ特集。セットリストはJashさんのページを参照ください。
    • オールディーズだからか、サウンドチェックだからか、リラックスするポール。これもいいなあ。
    • この日のセットリストAlligatorはオーディエンスのサインボードをポールが見て「世界最初だ」とプレイ。リクエストされた方は感無量だったでしょう。
    • いろんな苦行が行われたが、ポールがステージにいるのに退場しなければいけないのが最後の苦行だった。
  • この日はサウンドチェックチケットのおかげで今回最高の良席。ど真ん中(A10)の4列目。
  • 6公演中声が一番出ていたのはこの日だと感じているがそれも席のせいかも・・・
  • この日のポールのMC、やはり一番目立ったのはMaybe I'm Amazedの前に「コノキョクハ、リンダノタメニ、カキマシタ!」+「カキマシタ!」。今に至るまで仲間うちでの流行語となる。
  • Blackbirdはライトの加減で後光がさしているのよう。まあでも本当に神の領域に入ってるしな・・・
  • 周りのお客の筋金入りな方が多く、Wingsだからトーンダウンということもなかった。
  • 至福。サウンドチェックの疲れもライブ中は忘れられた。
  • 両脇の席の方とお話。お一人は札幌から来られていた。
  • 終了後、足の痛みが戻ってきた。つらい。
  • 打ち上げは盛り上がるものの足の痛みもあり1次会でお開きに。
  • 翌日は始発の新幹線で大阪へ出勤。


11月21日(木)東京ドーム

  • 朝は妻(特にポールファンというわけではない)がサプライズ朝食を。驚き、そしてうれしい。
  • この「NEWパン」をツイートしたら自分ツイッター史上最高のお気に入り&リツイートをいただけた。妻が褒められているようで(実際そういうことなのだろうが)これもまたうれしい。
  • この日は昼過ぎまで神戸で仕事。会議終了後、クライアントに「コンバンワートーキョー、よくチケット取れましたね」と言われバレバレであることが判明。笑顔で受け止めてくださったことに感謝。
  • 開演前の音楽にEight Days A WeekとSomethingのアレンジがあったがこれはこの日だけだったのでは。
  • 席はAブロックの右寄り。
  • オーディエンスの盛り上がりは全公演中この日が一番か。
  • Yesterdayの時赤いサイリウムを振るというポールへのサプライズ、よかった。キョードー東京かビートルズクラブの発案だろうけど素晴らしいアイデア。赤色はちょっと怖かったけど、このツアーのテーマカラーということだった。
  • 終盤はやはり切ないものが。ポールを目に焼き付けた。The Endのギタープレイが終わるときギターをぐっと体に引き寄せたこと、楽屋に消えるとき両手を肩ぐらいの高さまで上げて歩いて行ったこと。願わくばこれが「最後にこの目で観たポール」になりませんように。
  • 打ち上げもラストはいろいろ感慨深かった。久しぶりに会えた方々、前回来日以来11年ぶりに一堂に再会できた仲間、外国のファンの方々。
  • 韓国のファンの方とは「国同士はうまくいっていないけど、私たちは同じ音楽について仲良く話せているね」音楽の力を実感。
  • 初対面の方も含め、ポールという共通項ですぐに打ち解ける。これも音楽の、ポールの、ファンの力。
  • 結局始発の時間まで飲んでいた。
  • 最後にドームの脇を通ると、なんとセット解体中の現場をのぞき見ることができた。
  • さらに北側では、機材の搬出現場に遭遇。なかなかない経験だった。
  • 大阪に出勤しようとしたら、職場から、予定されていた会議がなくなったので休めば?との連絡。なんとありがたい。
  • というわけで翌日の午前中はライブ前のイベントで知り合った方たちとポールの泊まっていたホテルのロビーでくつろぎ、昼過ぎには遠方から来られているファンの方とお茶をし、ポールが帰ってしまって混乱している自分の気持ちをなんとか整えた。
  • 新幹線で夕刻に自宅へ。ポールとバンド、クルー、プロモーターはもちろんのこと、ファンの友人知人・出会えた方々、職場の理解、そして家族には心から感謝。本当にありがとう。


関連メモ


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