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上原隆「こんな日もあるさ」

こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション

筆者は、いわゆる一般人の人生をルポルタージュし続けています。先に読んだ「友がみな我よりえらく見える日は」「喜びは悲しみの後に」「1ミリでも変えられるものなら」と同様、あたたかい視線と客観性が、いろんな人のいろんな人生を実直に描き出しているのです。読後はほっとした気持ちと人生諸行無常だという寂しさの両方が残ります。私がこのシリーズを少しずつ読み進めているのはそのためです。

この「こんな日もあるさ」で特に印象深かったのは: 依存症の女性と出会った男の淡々とした独白、新婚旅行から帰ってきた翌日に急死した花嫁の命日に同僚からFAXが毎年届く話、博士号を取得したが企業で簡単な事務作業ができず悩む男、弟子二人と人里離れた家で暮らす画家、産廃処理場で働くガーナ人たちが労働組合を立ち上げて労働条件を改善していく話。


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