庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

ポール・マッカートニーが見た京都(金閣寺、御所、料理旅館吉川)

2002年11月、ポール・マッカートニーは京都を訪れました。その足跡を、ポールファンの女子お二人とともにたどりました。


金閣寺




まずはMさんと私で金閣寺へ。阪急西院駅からバスで。ポールは夜に貸し切りで訪れたようですが、もちろんそんなことはできないので普通に昼に。

これだけ見ると静謐な日本のお寺って感じもしますが実際は紅葉の京都ですから人だらけ。関西弁以外の言語(日本のいろんな地方の言葉や外国語)が飛び交っているのがさすがって感じでした。



お抹茶をいただきました。お菓子にも金箔。


京都御所

そして次はバスで京都御所へ。

今出川通の門(北)から入ります。



塀にはこんな看板があります(見にくくてすみません)。



右の溝を越えてこの塀に近づくとサイレンが鳴り「この建物は文化財です。みんなで大切な文化財を守りましょう」というアナウンスが流れます。ポールと当時の妻ヘザーは御所で休憩していたらサイレンが鳴ったけど、自分たちのことだと気づくのに時間がかかったとのエピソードがあるのですが、近くにベンチもあるのに、なんでわざわざこんなところで休憩したんだろう?



御所は内部一般公開の時期以外は人々が憩う「公園」ですね。


料理旅館「吉川」(1)食事

ここから地下鉄一駅ぶん歩き丸太町から地下鉄で一駅、御池で下車し徒歩数分で今回のメイン、ポールの泊まった料理旅館「吉川」(リンク先は音が流れます)へ。ここでKさんとも合流。


海外でテレビ放送されたポールの2002年ツアーのドキュメンタリー"Back in the World"にも映っていた看板にしびれます。


いかにも京都の高級店という感じ。近くにはあの俵屋や柊屋もある、まあ私は普段近寄らないエリアです。



旅館入り口。ポールがここを通ったんだなと思うとちょっと身震いしたり。


でもお泊まりは30,000円からということでさすがにしんどいのでお食事のみいただくことに。こちらは天ぷらが有名なのですが、カウンター席なら6,000円からなので、それならばということで予約して訪れました(普段6,000円の食事なんてしませんが・・・しかも結局お酒やサービス料もかかるので一人1万円くらいにはなりました。でも後にその料金にも納得することになります)。満席ではなかったもののそれに近い状態だったので、予約して正解でした。



ポール大好きな3人で乾杯。ポールについて、この10年のそれぞれの人生に起こった出来事について語り合います。



目の前で揚げていただいた天ぷらを即いただけるカウンター。写真のエビなどオーソドックスなのはもちろん、栗の天ぷらなど珍しいものもあり(なにもつけずに食べるそうです。栗の甘さと衣の食感が不思議な感覚でなるほど、と感じました)、もちろん今まで食べた天ぷらの中で一番おいしかった。さすが高級店は違うな、と感心していたのですが、このお店の魅力はそこにとどまるものではありませんでした。


料理旅館「吉川」(2)ポールの見た庭、ポールお泊まりの部屋

仲居さんが「この後ご予定などおありですか?」と訊いてこられたのでいいえ、と応えると隣のロビーに案内され、そちらでデザートをいただくことに。こちらでゆっくりお過ごしください、とのこと。

ここで仲居さんに、私たちポール・マッカートニーのファンでここに来ました、お庭の写真を撮らせていただけませんかとお話しすると、快く庭の写真が撮れる場所に案内していただきました。


おお!これは"Back in the World"にも、2002年ワールドツアー本「イーチ・ワン・ビリービング」(ちなみに翻訳したのは同行のMさん)にも出ていた鯉のいる庭じゃないか!まずここで盛り上がる私たち。ポールはこの鯉を見たのかもしれない!
ポール・マッカートニー:イーチ・ワン・ビリービング―甦るビートルズ・レジェンド全部見せます!ワールド・ツアー




しかしポールを別にしても本当に見事なお庭だなあと思い仲居さんに訊いてみると、やはり専属の庭師さんが毎日お手入れをなさっているのだそうです。

さらに仲居さんは、あちらがポールさんがお泊まりになったお部屋なんですよ、今日はお泊まりの方がいらっしゃるので中は見ていただけませんが・・・とのご案内に我々きゃー!状態。イタいファンですから。

2階のこのお部屋だそうです。写真は見にくいですけど・・・しびれました。


料理旅館「吉川」(3)意外な交流

ひとしきり「ポールがここにいた」感を堪能した後、ロビーに戻りました。ここで仲居さんが、ポールが女将さんともう一人の東洋人の男性(通訳さん?)と写っているアルバムを見せてくださいました。おおお!ポール、白いジャケットでリラックスしたスマイルで写っています。

そしてここで衝撃の事実が!その次に写っていたのはジョージ・ハリスンの奥さん、オリヴィアだったのです。仲居さんによると、オリヴィアがジョージ追悼ライヴ作品のプロモーションで来日したとき、ポールの薦めでこの「吉川」に泊まったのだそうです。それは知らなかった。そしてポールとオリヴィアにそんな交流があったのが正直意外で、またなんだかうれしく感じました。

その後のページにはキャメロン・ディアス、レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・ラドクリフなどの世界の誰でも知ってる級の有名人が続きますが、ポールが最初に写っていることからして、ポールがきっかけでこの宿がセレブたちの間に広まっていったのかな、と思ったりもしました。

こちらの宿では有名人が来ても写真もサインも宿の側からはお願いしないのが礼儀という方針だそうで、きっとそういう心遣いが有名人にも伝わり、いい噂につながっていっているのだろうなとも思ったり。


料理旅館「吉川」(4)交流は今夜も

ところで、このロビーでは椅子がロの字型になっていて、他のお客さんと中央を囲むように座ります。仲居さんが、ここで知らないお客さん同士が、僕はロンドンから来た私はニューヨークから、ということで交流なさったりするんですよ、と教えてくださったら、天ぷらカウンターで隣にいらした若者3人がロビーに来て、話しかけてくれました。

こちらが「ポールが好きで来たんです」と話すと、若者は「やっぱりそうでしたか、ポールの名前が聞こえてきましたから」と。訊くとその若者3人は早稲田大学の学生さん二人と卒業生一人で、音楽系のサークルに所属している(いた)とのこと。ともに音楽好きということで、1時間近く話し込みました。早稲田にはビートルズのサークルがあるんですよ、と話すので、早稲田ビートルマニアでしょ、OBの方何人もおつきあいさせてもらってますよ、とか。好きなミュージシャンは、とか。思わぬ交流ができとても楽しかった。この点だけについて言えば、ユースホステルに似た感じでした。


料理旅館「吉川」(5)ホスピタリティ

京都の高級料理店・旅館には、一見さんお断りなど排他的なところが多いと聞きます。しかしこの「吉川」は、それとは正反対のオープンかつ分け隔てのないサービスが私のような庶民にも心地よい空間でした。また、流通業で管理者をなさっている同行のKさんと通信会社で法人営業をしている私の間でも、仲居さん達の客との距離の取り方の絶妙さがすごいですねという話にもなりました。気さくだけど踏み込んではこない。高級店なのに窮屈さを感じさせないのです。

ポールがきっかけで訪れ、またポールの足跡を堪能できた場所ではありましたが、別の感動・交流も得られ、本当に気持ちよくお店を後にできました。

3人で最後に話したのは、「また来よう、しっかり仕事してお金貯めて、今度は泊まりで!」でした。


料理旅館「吉川」(6)After the Ball


ポールとヘザー、そしてバンドメンバーが芸者さんを呼んで宴会した部屋。ヘザーの求めに応じてポールとドラマーのエイブも踊ってましたね。この日は写真を撮る少し前まで結婚披露宴が行われていました。After the Ball.


※お店の写真の掲載についてはお店の了解をいただいています。


関連リンク:同行してくださったMさんのブログ ポールの会@京都その1その2


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