庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

バーン=ジョーンズ展(兵庫県立美術館)

この人の、古代の伝説神話をわかりやすく美しく描き出しているところと品よくはっきりした色遣い、そして細密描写が好きなので(要するにラファエル前派がお気に入りってことです)、観に行きました。

実は今回、5歳の長男が、絵に特に興味がないのにどうしても一緒に行きたいというので連れてきたのですが、静かにできるかな?

兵庫県立美術館。カエルのオブジェが今回の展覧会とすごいギャップですけど楽しいですね。長男早速よろこぶ。

入館時、オーディオガイドをお願いしました。伝説とか神話とかよく知らないのですが、この人の画を楽しむにはそのあたりの知識が不可欠、ということはガイドも必須、ということで。実際、借りて大正解でした。


特に印象に残った作品は以下です。


「慈悲深き騎士」まさに伝説のひとこま。硬派な世界に咲き乱れる花のミックスが美しいです。



「戦い・龍を退治する聖ゲオルギウス」龍は異教を、女性はキリスト教を表しているそうです。長男はこの画がおもしろかったと言っていました。バトルですからね。



「ペレウスの饗宴」これも、ただ美しいだけでなく、「結婚パーティに招かれなかった右端の不和の女神エリスが、使いのヘルメス(右側で青い帽子と青い靴を履いている)に”最も美しい者へ”という手紙を送り込む→左後列の女性達がそれは自分のことだと思い込む→不和、トロイ戦争」という神話がわかると俄然おもしろくなってくる画です。



「東方三博士の礼拝」タペストリーだと色鮮やかさがよりくっきり、そして輪郭はっきりなので、うまいまんがのカラー原稿のよう(なんて感じたら、この展覧会に際して荒木飛呂彦先生が対談されていたことがわかりました!うれしい!「バーン=ジョーンズ展 装飾と象徴」



何より心震えたのはこの「眠り姫」。なんというか、花の香りが感じられるくらいにリアリティがありながら、おとぎ話の不思議な雰囲気もあって、そして単純に美しくて、圧倒されました。


そしてうれしかったのは、長男がなんとか1時間半、静かにしてくれたこと。5歳の1時間半は長いだろうに、がんばってくれました。少しでも興味をもってもらえるように、バトル系の画は「これがわるもんで、これがええもん」とか教えたり、キリスト教系の幼稚園に行っているので(私は特に信仰はありませんが)上の「東方三博士の礼拝」を見ながら「あの赤ちゃんイエスさまだよ」と説明したりはしたんですが、まあほとんどの時間お父さんは無言で画を眺めてるわけで、よく耐えたなと思います(会場にあったこども向けの解説もすごくわかりやすく、かつクイズ仕立てで私のような初心者なら大人が読んでもおもしろかったのですが、小学校高学年以上対象って感じでした)。この経験で画が好きになったのか嫌いになったのか・・・


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