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庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

ビーチボーイズ 大阪中央体育館



夢がかないました。彼らのステージを体感できる日がくるなんて。

そして、それは心の底から楽しかった。ビーチボーイズは音楽家としてもすごいんだけど、エンターテイナーとしてもすごいんだ、ということが体全体で理解できました。



1曲目がDo It Againなのも、タイトルだけでなく、新譜の日本盤ボーナストラックがこれだったことを思うと、今回のオープニングとしては秀逸。さっきまで聴いていた新譜の続きはライヴでお届け!ってメッセージを感じます(たぶん考えすぎなんだろうけど)。

そしてすぐに感じたのは、マイク・ラブの存在感です。このバンドの芯、大黒柱のような。大所帯が彼を中心にまとまっていました。DVDなどで見てもわからなかったパワーを放っています。これは音楽面においても同様で、やはりあの低音があってこそのビーチボーイズのコーラスですし、安心して耳をまかせられる。また、動きはゆったりしているものの、客席の特に盛り上がっているあたりを指差してコミュニケーションをとっていくのも、全メンバーを代表して始終やってくれていました(個人的には向かって右のスタンドにいた母娘さん(かな?)たちはそれでさらに盛り上がっててほほえましかったです。)。

このあたりのショウマンシップひとつとってもやはり彼がいてこそのビーチボーイズなんだなと実感できましたし、またブライアンを立てよう立てようとしているあたりも含めいろんな気遣いが随所に感じられ、巷の噂も話半分以下くらいで聞いておいた方がいいんだろうな、と痛感しました。(ステージ中盤、ドラマーとペットボトルの水をかけあって、タンバリンを床に捨てたあたりはリアルけんかですよね?ちょっとひやっとしましたがその後何事もなく進行していったということで、ここもマイクがプロに徹したってことなんでしょう)。



バンドの音楽表現としては、ブライアンのソロライヴに比べ音に緻密さがないのは確かかもしれませんが、それが「欠点」に感じられないんですよね。楽しいから。そして曲がいいから。ブライアンのソロライヴももちろん極上の音楽体験でしたが、それとは違った面の「音楽の素晴らしさ」で魅せてくれました。ダリアン・サハナジャたちブライアンソロを支えた人たちも、そのあたりのバランスを十分理解した上で今回のステージをサポートしていたんだろうと思います。このバンドのエンターテインメントが第一、曲の再現性は二の次(いや再現性も高いんですけどね)、という明確な方針が伝わってきました。

あともうひとつソロとの比較でいうと、デニスとカールの追悼、これもビーチボーイズでしか見られないものですよね。本人映像・本人歌唱・演奏はバンドという直球の演出、くるものがありました。二人とも表情が特に素晴らしくて・・・



個々のメンバーでは、ブルースが見た目老け込んだ(でもやさしいおじいさん的風情で、それはそれでいい感じではありましたが)のと対照的に、アル・ジャーディンは見た目も声もメンバーの中で一番変わっていない(比較論で)と感じました。ジェフリー・フォスケットの要所要所を見事にサポートしていた職人技も見事でしたし、ブライアンの動かなさは予想通りでしたが、マイクとは違う意味でバンドを締めていたのはさすがでした。ちゃんと歌ってくれてましたし(あと、I Get Aroundの時に微妙に体をスイングさせてたのがほほえましかった)。



個々の曲についてのメモを書こうと思いましたが、ほとんどどれも「楽しい」に行き着いてしまうことに気づきました。実際、私も気がつくとほとんどの曲でずっと踊っていましたし。その中でも特に心が震えたのはI Get Aroundでオーディエンスみんなとハンドクラップしたこと、大好きなWhen I Grow Upをやってくれたこととマイクが歌詞をわりと細かく手で解説していて(例えば"really square"のところで四角をつくったり)ああマイクもこの曲好きなのかなと思ったこと、車シリーズ(Little Deuce Coupe〜409〜Shut Down〜I Get Around)の映像がかっこよかったこと、そして終盤の盛り上がり。

もう体験できないと思っていた伝説は、思いっきり現役のエンターテイナーでした。


しかもその後、東京から来られた音楽ファンの先輩とその息子さんと終電までこのライブ他について語り合う経験まであり(終電まで、では全然時間が足りなかったのですが)、まさに忘れられない夜になりました。夢のようですし、これから先も、あれは夢だったのではないかと思い続けることでしょう。