義理の両親が私たち家族を河口湖に連れて行ってくれました。とってくれたのがこの富士ビューホテル。
ジョンとヨーコが泊まってたのか。ポール突出派の私は、ジョンについての知識に乏しく、70年代後半の日本滞在先としては軽井沢と京都くらいしか知らなかったので不意を突かれた感じでした。それにしてもほっとするアートだなあ、これは。
ジョンの泊まった部屋って観られるのかな。無理なら部屋の前までは行きたい(ビートルズの泊まったキャピトル東急ではそうしました。中を見せてもらうこともできたのですが、その時は宿泊されている方がいらっしゃったので)。
年配のホテルスタッフに訊いてみました。「ジョン・レノンの泊まった部屋を見せていただくことってできるんですか?」
「あ、その後このホテルは改装したので、今は残っていないんですよ。」
「ああ、そうなんですか。残念・・・」
「本当に魅力のある方でしたね。世界中で人気があるっていうのも、わかる気がしました。」
お、この方、当時のジョンをご存じなんだ・・・年配の方に声をかけた目論見的中。
「ご夕食の後、ロビーでくつろいでいらっしゃったんですね。それでサインをもらおうとお願いしたら、いいよって。やさしい人だなあって思ってたら、ヨーコさんが来て、あなたサインしちゃだめって言ってるでしょうって。それでもらえませんでした。ははは。」
ヨーコさんのこの仕切りは聞いたことがありますが(まあしょうがないですよね)、それを直接体験した方にお会いしたのは初めてです。なんだか歴史の証人からお話をうかがっているような気持ちでした。
ちなみにこのホテルには、芸能人もよく来るそうなんですが、基本的に特別扱いはしない、従業員はオフでない限りサインを求めたりしない、というのがルールだそうです。ジョンも同様だったとか。
「意外と気づかないものなんですよ。もちろん気づく方もいらっしゃいますけどね。」
「その後は横浜で予定があるとおっしゃってましたね。その途中でこちらにお泊まりいただいたということのようでした。」
そんなふうに、思いがけないところでジョンの空気を感じることができました。このホテルスタッフの方と義理の両親に感謝。
ところでこのホテルですが、一方では富士山、もう一方では河口湖の風景が楽しめる絶好のロケーションにあり、かつ富士屋ホテル系列らしい行き届いたサービスときちんとした料理を提供してくれました。ジョンとヨーコが泊まったかどうかは別にしても快適な宿だったということです。住んでいる関西からはなかなか行きにくい場所ではありますが、次にこの辺りに来ることがあれば、ぜひまた泊まりたいと思っています。