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庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

わが町

映画・ドラマ・演劇

わが町 [DVD]

[物語]
日露戦争の時代。他吉は、フィリピンに道路を造るという難事業を成し遂げて帰ってきた。しかし帰国直後、妻は病死。一人娘だけが残された。

娘は成長し、結婚。しかし娘婿の桶屋が火事にあってしまう。他吉は娘婿にフィリピンで一旗揚げることを強要するが、娘婿は病死、娘もショックで亡くなる。またしても他吉に残されたのは孫娘一人。

太平洋戦争終結。孫娘は23歳になっていた・・・


[感想]
何年も前にお薦めをいただいていたのですが、やっと観る機会を得ました。

一人の男の人生を描いたドラマとも、親子関係についての物語とも見ることができるでしょうし、その他も含め、どのような見方をしてもいいんだろうと思いますが、私はこれを時代の変化がもつ冷酷さを描いた映画だと見ました。

現代の価値観からすると、主人公たあやん(他吉)の生き方は古風に過ぎてちょっと感情移入しきれなかったというのもあるんですが、その分、日露戦争時代から1950年代までの価値観の変化と、それに合わせられない不器用なたあやんの生き方とのずれをはっきりと感じ取ることができたような気がします。

いろんな点で美しい映画だとも思いました。大阪の下町は雑然としているようで絵画のようでもあるし、大阪弁にも今とは少し違う懐かしさを感じます。そしてたあやんの妻と孫娘を演じる南田洋子。この時代の女優さんの造形には何かしら奇跡的なものを感じることがあるのですが、この映画の彼女もそのうちの一人です。

今はないいろんなものを感じられる映画でした。