庭を歩いてメモをとる

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片岡義男「ナポリへの道」

ナポリへの道

旅行記?いいえ、片岡さんのスパゲティ・ナポリタンへの思いを綴ったエッセイです。

ナポリタンが日本オリジナルの「和食」であること。かつては子どもの好物のひとつであり、喫茶店の定番メニューとして愛されもしたのにバブルのころ「本当のイタリアのパスタではない」という理由で絶滅寸前になったが、最近ふたたび人気を集めているといった「歴史」。片岡さんの世代(1940年生まれ)にとって、ナポリタンが、ケチャップがどういう食べ物だったのか。そういったことが、ナポリタンへの愛情溢れる言葉の数々で語られています。

ナポリタンがいつどういった経緯で誕生したかなどの、「ナポリタン事典」的な要素もあるにはありますが*1、それよりも、片岡さんの人生・戦後日本の変化とナポリタンとの結びつきとそれへの懐かしみ・慈しみが印象的な一冊でした。

おかげで、これ読んでからの10日間で4回ナポリタンをつくって食べることになりました。この本で紹介されている神田の「さぼうる」、横浜の「ホテルニューグランド」のナポリタンも食べてみたいな。


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