庭を歩いてメモをとる

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坂本龍一ピアノソロライブ PLAYING THE PIANO/05(神戸国際会館)

今日の神戸公演、行ってきました。

ピアノってこんなに表情豊かな楽器だったんだってことを堪能した2時間でした。
教授の情感たっぷりの演奏と作風の幅広さがなせる業でしょうか。これ、毎年やってほしいくらいですが、意外にもピアノソロツアーはこれが始めてだそうで。

特に、教授曰くの「一人連弾」(教授が生で弾くピアノ+教授が前もって弾いたのを再現するピアノの同時演奏)が圧巻でした。"+33"もすごかったけど本編最後の曲にも圧倒されまくり(知らない曲でした"Happy End")。

もちろん1台の演奏も十分に楽しめました。"The Last Emperor"なども、アルバム"1996"のスリーピース(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)よりも迫力がありました。ただ、大好きな"Aqua"、アンコールのラストにやってくれたのはうれしかったけど、これは思いを打ち込みすぎてちょっとリズムを崩しすぎかな、という印象。とはいえ全体的には大満足のライブでした。そういえば、知らない曲が多いのにこんなに楽しめたライブも個人的には珍しいかも("05"からの曲が多いのに、聴かずにライブに行ってしまっている私)。

http://d.hatena.ne.jp/05


あと、教授のトークから印象に残ったものを簡単に書き出してみます。

・開演前に、スクリーンにこのライブや録音でどれくらいの電力を使っているのかを表示していた。ライブ中の教授トークによれば「CO2フリー」なのだそうです。「一人のライブでこれだけ電力使うんだから、ローリングストーンズなんかすごいでしょうね。少しは罪の意識を持ってもらいたい・・・というのは冗談ですが(笑)」

・このピアノソロツアーは、「生energy flow」を聴きたいという声があったのでやった。

・「美貌の青空」は、なぜかイタリアだとどの都市でもうけるが、アメリカではただの地味な曲扱い。悪い曲ではないんだけど・・・「イタリア人の感性を刺激する何かがあるのかもしれません。作った本人もわかっていないんですが」

・今日でツアー3日目だが、先の公演で大失敗してしまった(詳細は語られず)。失敗といって思い出すのは・・・
ベルリンフィルで、カラヤンが若手トロンボーン奏者を抜擢した。優秀な人だったが、本番でミスをして自殺してしまった。(この話の後、教授が「やっぱり暗くなってしまいますね」とフォロー。)
バーンスタインが晩年にウィーンフィルを振ったが、なんとウィーンフィルが止まってしまった。世界最高のオーケストラに何があったのか、貴重な機会だから見ておきたかった(笑)
バリ島のケチャも、宗教に基づくものなので、昔はリズムを間違えると処刑されたらしい。

・"+33"はもともと8台のピアノで演奏するように作曲されたけど、8台は集められないので今回は2台でやる。8台でやってみたいけど・・・(ここで客席から「是非やってください!」この声に対し教授は「お金出してください(笑)。いや、お金の問題ではなくて、本当に8台を集めることができないらしんですけどね」


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