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庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

横田増生「アマゾン・ドット・コムの光と影―潜入ルポ」(2)

前のメモに引き続き、このルポについて。

(前のメモ)


アマゾンそのものについての記述の他に、このルポの柱となっているのが、本などを配送するセンターでの労働環境です。著者が働いた、本をピックアップする仕事では、時給900円(その後850円に下がる)。これはさほど珍しくないとしても、勤務終了時間が当日の勤務中に急に会社都合によって変化したり、1年で9割ほどの人が辞めてしまう(著者の推測ですが)という状態だそうです。これは少し驚きです。

個人的に、コールセンター構築・運営のコンサルタントをしている関係上、現場で働く方々の労働条件と、その中でいかにモチべーションをもって仕事に取り組んでいただくかというテーマにはどうしても敏感になってしまいます。コールセンターのオペレーターの方々は、話す内容にもよりますがある程度の知識や経験がないと定められたクオリティの仕事の遂行が困難なので、研修に時間をかけます。当然、そうなると人の入れ替わりがあると研修する側にとっては大きなロスになるのです。そのため、1年で9割の人が辞めてしまうという環境は悪夢以外のなにものでもありません。一方、アマゾンのセンターでは、簡単な説明だけで仕事に取りかかれるようで、人がどんどん入れ替わってもロスは少ないのでしょう。コールセンターとアマゾンの配送センターは、一見同じような労働環境に見えて、その実かなり違うものだということを今更ながらに痛感しました。

著者は、アマゾンについて、客として利用すると素晴らしいが、アルバイトとして働くのは願い下げ、というようなことを書いています。この二つを両立させてしまう企業が増えていくことについての違和感のようなものがこのルポのテーマのひとつのようです。私も、同様の感覚を持ちつつも、そのような企業が今後増えていく予感も同時に持ちました。