庭を歩いてメモをとる

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出口の見つからないオブラディ・オブラダと、琴平電鉄の想い出

「新潮」の3月号に村上春樹の新作が出ていると聞き、近所の書店に向かうも在庫はありませんでした。じゃあ別の春樹さんのを、ということで「村上ラヂオ」を読んでみることに。

その中には「オブラディ・オブラダ」なるエッセイがありました。「オブラディ・オブラダ」を演奏するチンドン屋がいた。ビートルズを持ち歌にするなんて珍しいなと思って眺めていた。しかしそのうち、「いくら見回しても出口が見つからない感じ」がしてきた。なぜか?サビの部分がなく延々と繰り返されていたからだった・・・そんな内容です。

そういえばこの曲、最近でも「これまでで最悪な曲」投票でも1位になってたりしてましたね。あと、イントロのピアノも、あまりに何度もテイクを重ねるポールにジョンが怒って「これでいいんだろ!!」と叩きつけるように弾いたのが正式に採用されてああなった、との話。あまりいいエピソードに恵まれていない曲かもしれません。

でも、私にとってはちょっとした思い出がある曲です。去年、高松に出張したときに琴平電鉄(路面電車)に乗ろうとすると、聞き覚えのあるメロディが流れてきたのです。「電車が発車します(到着します、だったかな?)ジングル」が「オブラディ・オブラダ」だったのでした。オルゴールのような音色。残暑厳しい9月の出張でしたが、一瞬、さわやかな風が吹き抜けたような気分になったのを覚えています。

街でビートルズを耳にすることは珍しくないし、「オブラディ・オブラダ」が好きでしょうがないというわけでもない。「さわやか」って感じの曲でもない。でも、そのときの風のような感覚は今もはっきり覚えています。


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